• テキストサイズ

海賊王の娘

第3章 放浪記



「どうした、顔色が悪いな?」

『気にしないでください。日差しに弱いだけなので、』

冥王が心配そうに私の顔を覗き込んできたため、右手で『平気だ』とジェスチャーをする。奥に行けば陰なんて幾らでもある。
女ではあるが一応部外者のため、この国に入らない方がいい、と私なりの配慮で許可された海岸に止まっている。さっきまでいたジャンバールの影が恋しい。

「君はもしかしてアカアカの実の能力者か…?
 あァ、昔の知り合いにいたんだ、日差しに弱くて君のように肌が真っ白な人だったよ。」

私が驚いた顔をしたからかそうやって説明してくれた。
極力日に当たらないようにするからか、もしくは実の副作用なのかわからないが、肌が白くなることは共通しているらしい。その上日差しが苦手というもののせいで分かったらしい。

『!?』

冥王はトラファルガーに渡された麦わら帽子を私に被せた。この麦わら帽子は“大切なもの”だと赤髪から聞いた。赤髪がルフィに託したものなんだと。
だから私なんかが被って良いものではないと思って外そうとすると、帽子の上から頭を撫でられた。

「元々は船長の帽子なんだ。君なら被っても平気だよ」

少し照れくさくなって『やめてください』と言うと、笑いながら手を離され、岩の上に置いていた服をまた絞り、バサッバサッと振るとそれを着直した。

そんな光景を側から見ると“ただのおっさん”であるが、今、そんな何もしていない状態でも、丸腰の状態でも強いということが伝わってくる。海賊王の右腕と呼ばれていたのだから当たり前だろうが。
しかし、これ程に強いのならばロジャーは如何程の強さだったのだろうか。
色々と考え込んでいると「え〜〜〜〜〜!?」という大きな声が聞こえてきた。

「レイリーのおっさん!!?」

包帯が身体中に巻かれており、所々血が滲んでいるルフィを背負ってジンベエさんが戻ってきた。暴れ回って傷が開いたのだろう、でも良かった、正気を取り戻したみたいだ。

「おお!ルフィ君、早速会えて良かった。」

「なんでこんなところに?おれ今からビブルカードでシャボンディ諸島に行くつもりだったんだ!!
 って、そいつ誰だ?あ、おれの帽子返せ!」

/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp