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《イケメン戦国》時を越えて

第8章 時を越えて〜出陣準備〜


全員にお茶を配り終わり、退出しようとした舞を信長が引き止める。
「舞」
「はい?」
「此度の出陣に貴様も連れて行く。岐阜城で佐助と落ち合い、春日山へ行け。」
「えっ?あっ、はい。春日山でなにを?」
「貴様の荷物とやらを取ってこい。」
「ーーっ!!良いんですか?!ありがとうございます!!」
「出立は半月後だ。戦が終わるまでは春日山で過ごせ。」
「分かりました!準備しておきます。」
「馬にはひとりで乗れるな?」
「もちろんです。」
「なら良い。下がれ。」
「はい。…あっ!信長様。」
「なんだ。」
「お針子部屋で働いても構いませんか?」
「好きにしろ。」
「ありがとうございます!!では、失礼します。」
嬉しそうに頭を下げて舞は出て行った。

「本当に仕事するんだ…。」
舞の背中を見送った家康の呟きに
「結局、針子か…。適正試験はなんだったんだろうな?」
政宗が答える。
「くくっ、我々を楽しませる余興だったのだろう。」
光秀が言うと
((大した余興だったな))
二人が苦笑いで肯いた。


その頃、お針子部屋へと戻った舞は
「これからよろしくお願いします。」
と針子たちは挨拶をしていた。
「「「「「よろしくお願いします。」」」」」
明るく気さくな舞を針子たちは温かく迎えた。

「舞様、何でも遠慮なく聞いてくださいね。」
針子部屋の責任者が声を掛けると
「ありがとうございます!」
満面の笑みで答えた。
「では、さっそくですが…」
「はい。何でしょう?」
「この端切れは何かに使われるんですか?」
「いいえ、今のところはこれと言って…」
「じゃあ、もらっても良いですか?」
「ええ。もちろんです。」
「ありがとうございます。」
そう言って、色とりどりの端切れを手に取り、嬉しそうになにやらし始めた。
「何か作られるのですか?」
「武将のみなさんにちょっとした贈り物を作ろうかと。」
「まあ、それは!きっと皆さま喜ばれますよ。」
「えへへ、そうだと良いですけど。」
嬉しそうに言うと作業を再開した。

数刻後ーーー
夕餉も食べずに没頭している舞。
お針子たちはとうに退出した部屋の中で黙々と一人作業を続けていた。
「できたっ!!」
そう言うとさっさと片付け、出来上がったものを持って広間へと向かった。
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