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《イケメン戦国》時を越えて

第3章 時を越えて〜素性〜


それでも彼の優しい手に励まされた私は、前を見据えポツポツと話出す。

「私は…自分が…どうして本能寺にいたのか…分かりません。目を開けたらたらあの場にいて……辺りが燃えていました。煙もすごくて…。逃げようとしたら信長様にぶつかりました。そして……大きな影が私と信長様に…か…たなを…」
その時の状況を思い出し、今更ながら体が震えて来た。
(火事はもちろんだけど、あの時向けられた刀…。咄嗟に避けなければ今頃は…)

思い出し、ブルりと身震いした私に信長様が問いかける。
「刀…?あの時貴様が俺を引っ張ったのは、斬られるのを避けるためであったのか?!」

喉が震えで詰まって上手く声が出せない私は、無言で肯く。

「そうか。貴様は炎だけでなく、刃からも俺を救ったのだな…。一瞬の間に二度も俺を救うとは…。」
なぜか嬉しそうな表情を浮かべた信長様は
「気に入った。舞、お前は我が命を守り幸運をもたらす存在らしい。今後も俺の側で運を呼び込め。」
と満足そうに、相変わらず偉そうに言う。
その訳の分からない言葉に思わず
「えっ?」
と漏らした私は、あまりの驚きに先ほどの恐怖はすっ飛んで行ってしまったと同時に今この瞬間は命の危機を脱出した事に安堵し、脱力した体はヘナヘナとその場に崩れ落ちた。
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