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魂の色【銀魂短編夢】

第17章 企画【〇〇しないと出られない部屋】


神威ver.


鼻腔を擽る甘い匂いに、遼は薄らと重い瞼を開けた。

「やっと起きた」
「え、団長??」

満面の笑みでこちらを見ている神威と目が合い、遼は今の状況を把握しようと身を起こして辺りを見回す。

「ここ、どこですか?」
「俺も知らないよ。目が覚めたら、遼が隣で寝てたから、夜這いでもされたのかと思ったんだけどさ」

にこにことしている神威を一瞥して、遼は改めて周囲を確認した。
どうやら神威と二人、大きなベッドに寝かされていたのだとわかり、ますます混乱する。

「窓も無ければ、出入口も無い。でも何故か、風呂とトイレはある」
「は?」
「遼が寝てる間に調べたけど、どうやら俺たちはここから出られないみたいだ」

しれっと言ってのけた神威に遼が驚いていると、壁に掛けられたモニターが突然文字を映し出した。
咄嗟に身構えるが、現れた文字に暫く言葉を失う。

「……意味がわからない」
「言葉のままだろ。キスしたら、出してやるって」
「だから、意味がわからないんです。何で私が団長とキスしなきゃならないんですか?」
「俺と遼がキスしろなんて、書いてないよ」
「揚げ足取らないでもらえます?
この状況でキスする相手なんて……あ、そうか、そうですよね、自分で自分の手にキスとかでも」

良いことを思いついたと遼が表情を輝かせると、その案を否定するようにどこかから「ブーッ」と音が鳴り響いた。

「な、何?!」
「そんなんじゃ駄目って事だろ」
「いやいや、だって書いてなかったじゃないですか」
「往生際が悪いよ、遼。ここは素直に従おうよ」
「いやいやいや、何でノリ気なんですか!?」

妙ににこにこしている神威に、遼は全身で警戒する。

「キスくらい、いいじゃないか。減るもんでもないし」
「いや、確実に私の中の何かが減っていく気がするんですけど」
「別に、初めてじゃないだろ」
「それは、そうですけど……それとコレとは話が違います。第一、団長は私とキスがしたいんですか?」
「うん」

あっさりと頷かれ、遼はぽかんと口を開けて神威を凝視した。

「わー、間抜けな顔。今ならキス以外も出来そうだ」
「はっ、いや、えっ、ちょっ」
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