第1章 怪盗ミューズ
「一体どうやって…」
「カラ松警部!これを見て下さい」
部下の刑事が差し出したスマホの画面にはかなり前の記事だが、アカッツカ博物館のことが載っていた。
『博物館よりレインボーダイヤ盗まれる ○月○日アカッツカ博物館から希少ダイヤであるレインボーダイヤが盗まれた。館長のフジーオはショックで衰弱している模様』
「そしてこれです」
次に見せたのは、フジーオ館長が遺体で発見されたという記事だった。これもカラ松がまだ警察に入る前のことだ。
「ふ、ふん!そんな昔の記事がなんザンスか。今はミーの物ザンスよ。さっさと犯人を、怪盗ミューズを捕まえるザンス!」
「し、しかし姿もない奴をどうやって…!」
「何でもいいから捕まえるザンス!メイド、役立たずの警察の尻を叩くザンス!」
だがメイドは動かなかった。
「チッ!役立たずなメイドザンスね!」
「あなたの証言、録音させてもらったわ」
「は?!な、なんザンスか、その口のききかたは!」
「多分あなただろうと思ってずっとメイドとしてここにいたの。やっと証拠をつかんだわ。金庫の中にダイヤを入れろって言われた時は以外だったけど、あたしの裸が見たいだけだったってのも録音したし」
そう言ってボイスレコーダーのスイッチを入れた。
『うっひょっひょっひょ。チミはつべこべ言わずに服を脱げばいいザンス。こっそりポケットに入れられることもないザンスからね。それにチミはスタイルもいいザンスから、目の保養にもなるザンス。ほら、さっさと脱ぐザンス!断ればチミはもう社会で生きていけなくするザンスよ?!ミーは億万長者ザンスから、金にものを言わせることが出来るんザンス』
「…最低だな」
「そ、そんなの何の証拠にもならないザンス!そんなことより早く犯人を捕まえてチョーよ!」
「メイドさん、そのボイスレコーダーはお借りします」
「はい」
「よし、各班手分けして怪盗ミューズを探せ。俺はこのイヤミを連行する」
「はっ!」
「何をするザンス?!ミーは億万長者ザンスよ?!金にものをいわせてチミを解雇させることもできるザンス!」
「わかった、わかった。詳しいことは警察で話してもらうから、大人しく来るんだ」
カラ松警部がイヤミを連れて出ようとした時。
「ふふふっ。レインボーダイヤは返してもらったわ」
「なにっ?!どういうことだ?!」
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