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勿忘草

第2章 過去編


ル「…グハッ!!…はぁ…はぁ……ッ!…グッ!!…俺はもう…ダメ…みたいだァ……ごめんなぁ…?…はぁ…はぁ…お前と約束…した…のに…はぁ…はぁ……なぁ…もう泣くな…俺ァ…お前の笑った…顔が…はぁ…はぁ…見てぇんだよ……なぁ…頼む……ッ!!」
もう息が浅い彼が私の膝に頭を乗せて腕を伸ばし私の頬を真っ赤に染まってしまった手で優しく包んだ
その彼の目は少しだけ潤んでいるようにも見えた
私の視界などほとんど霞んで見えないほど水に覆われていたが、彼の願い通り
私が今まで彼に向けていた目いっぱいの笑顔で笑った
ル「……ッあぁ…やっぱり…お前は笑ってる方が…いい…な……………………………」
彼は安心したかのように安らかな顔で目を瞑った
それと同時に頬に触れていた彼の手がパタリと事切れたかのように地面に落ちた

貴『.......ッえ…?ルキ?…ねぇ!お願い!!目を開けて!!!いつもッみたいにッ笑ってよおお!!!!………いやああああ”あ”あ”!!!!』


は喉が枯れ果て身体中の水分が流れ出るかのように涙を流し続けた。
その日の壁外遠征は過去類をみない天候に見舞われ団員の9割を失うという史上最悪の壁外調査と後世に語り継がれていくこととなった
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