第3章 出会いの章
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「ここがカエデの部屋で、こっちが護衛任務の人の部屋じゃん」
「カエデ、いつまで此処にいられるんだ?」
「長くても三ヶ月くらいかな…口寄せ獣を探さないといけないし。」
口寄せ獣?と言って頭にはてなマークを浮かべる二人。
「私、医療忍術を習うために口寄せ獣と契約しないといけないの」
「…それって、黄道十二獣か?」
「?なにそれ?」
黄道十二獣、聞いたこともない単語に頭をかしげる。
そんな様子を見て、二人はひどく驚いた顔をした。
「え、?何、その、黄道十二獣っての?」
「あ、ああ、あの、な…?」
___黄道十二獣、それは、天に浮かぶ星座になぞられた口寄せ獣達の総称。詳細はまだ不明な点が多いものの、各々忍獣として最高レベルの奴らばかりだという。
「そして、口寄せ契約を結ぶのが許されているのは今現時点ではカエデしか私は知らん」
「え、私?なんで…?」
「口寄せ契約するのは双方の合意がなければできない。黄道十二獣との最低契約条件は、親のどちらかが王道十二重と契約していることじゃん」
「…つまり、両親のどちらかが契約していたってこと?」
この流れでいったら父の方かな、でも、そんな強い口寄せ獣と契約している人をそう安々と婿入させるだろうか…?
「私達の父は、お前の母親が契約していたと言っていた。叔父さんと叔母さんは、政略結婚だったそうだ」
「政略結婚?」
「砂と木ノ葉の同盟を強固なものにするため、とか言ってたじゃん」
「そう、なんだ…」
私の父は砂の忍びで、風影の弟。母は木ノ葉の、黄道十二獣と契約していた忍び。
…そして二人は、政略結婚だった。
ここ数日で一気に両親の情報が入ってきた。
今まで、どれだけ両親のことを知らなかったのか、それを実感させられた気がした。
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