第3章 出会いの章
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「じゃあ、お父さん、お母さん、シバ、行ってきます!」
翌朝、私は一年前に書いた巻物たちと、愛用している書物を持って暗部の人と共に里を出た。
暗部の人は女性で、暗部名はキヌさん。狐の面をかぶっているから顔は見えないけど、雰囲気で美人そうだな、と感じる人だった。
ただ、言うことや、やることが男性っぽいからたまにどちらかわからなくなるけど…。
「もうすぐで砂隠れにつきます」
敬語を外してくれと言っても外してくれないこの人は、仕事人間というかなんというか…。真面目な人なんだな、と感じる。
「最初に風影様に挨拶をしに行きましょう。三代目が話を通してくれているはずです。」
わかりましたと頷き、キヌさんに付いていく。
砂で作られた建物が多くあり、木ノ葉とはまた違う風景に感動する。
「着きました」
そう言われて、ありがとうございます、と返してから大きな扉をノックした。
中からは、男の人の声で「なんだ」と返ってきた。
「秋野カエデです。木ノ葉から来ました。」
「入れ」
ゆっくりと扉を開けると、そこには赤い髪の、男性がいた。
我愛羅のお父さんだ。そして、私の叔父さんにあたる人…
そう思うと、緊張せずにはいられなかった。
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