• テキストサイズ

【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第18章  共に



「むーっ」

ニコニコとしながら、咲の頬をそっと撫でる禰豆子。

その手の温もりに、咲もニッコリと笑う。

「禰豆子ちゃん、ありがとう」

「咲、良かったな。本当におめでとう!」

「炭治郎さん…!ありがとうございます」

咲の目にうっすらと涙が浮かぶ。

炭治郎が、片足の無いことを卑下していた自分のことを叱ってくれた夜のことを思い出したのだ。

あの時炭治郎が言ってくれなければ、こんな未来は来なかったかもしれない。

「煉獄さん、この度は、本当におめでとうございます」

「ありがとう、少年!!」

杏寿郎の顔は赤い。

それは嬉しさからなのか、それとも酒の飲みすぎによるものなのかは分からない。

だが杏寿郎からは、炭治郎が今までに嗅いだことが無いくらいの幸福な匂いがしてくるのだった。

「二人共、末永くお幸せに」

炭治郎のその言葉に、周りを取り囲んでいた皆も、一斉に声を合わせて言った。

「お幸せに!!」

血なまぐさく、辛いことも多い鬼殺の日々。

そんな中、このように嬉しさ一色という一日も珍しい。

だが、そんな日々の中だからこそ、この幸せが一層尊く感じられる。

皆は戦いのことはしばし忘れて、心ゆくまで笑って過ごしたのだった。


/ 525ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp