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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第14章  冨岡さん、一体どういうことですか?



残ったのは、若干呆然としている咲と炭治郎の二人。

「…び、びっくりしたね。義勇さんがあそこまで犬が苦手だったなんて知らなかった…」

「そうですね…」

少しの間、言葉が出てこない二人であったが、しばらくすると徐々に笑いがこみ上げてきて、思わず声を上げて笑っていたのだった。

普段は冷静沈着な義勇が、まるで子どものようにべそをかいていた。

そのギャップに、情けなさというよりも愛おしさを感じて、二人は笑いながらもホワホワと心が温かくなるのだった。

ひいー、ひいー、とひとしきり笑った後、少し落ち着いてきた炭治郎が、目尻にうっすら浮かんだ涙を指で払いながら言った。

「ところでさ、咲。さっき森の中で銃撃った時、ばっちり当たってたね!すごいじゃないか、この短期間であんなに銃の扱いが上手くなるなんて!咲は本当に頑張り屋さんだな」

炭治郎の赤い目が優しく細められて、口調も弾んでいる。

「玄弥さんが丁寧に教えてくださったおかげです」

「そうかぁ!玄弥は優しい奴だからな!」

「私、もっともっと練習します。自衛のためだけれど、いつか、何かの役に立てればいいなと思います」

「うん、きっと役立つ時が来るよ。頑張ったことは絶対に無駄にはならない!」

その明るい励ましの声に咲の心は、今ほど昇ったばかりの朝日のように明るく晴れやかになるのだった。

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