• テキストサイズ

どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中

第3章 作り笑い


図書館に入るとすぐに、あの後ろ姿を見つける。
本棚の前に立って、どの本を借りようか吟味しているらしい。


「よっ!アユム、なんかオレ悪いことしたか?さっき急に居なくなったから、心配したんさ。これ、怖がらせちゃったお詫び。マカロン好きだって聞いたから。」


オレがマカロンを見せると一瞬目が輝く。
それでもすぐに、表情は嫌悪に変わる。
ほんとに表情がコロコロ変わる。何を考えてるかが、すぐにわかる。


「別に。」

「いや、『別に。』っていう態度じゃねぇだろ。オレ悪いとこあるなら治すからさ。言ってくんなきゃわかんないだろ?」


オレがそう言うと、少し迷ってからアユムは口を開いた。


「じゃあ、言いますけど、ぼくはあなたが怖いです。あなたがというより、あなたのその顔が怖いです。だから、あなたが嫌いです。そんな作り笑い貼っ付けて、気色悪い。」


アユムはそう捲し立てると持っていた本を全部本棚に戻してそそくさと図書館を出て行った。

気づかれた。作り笑いしてたって気づかれた。
絶対バレない自信があったのに。今までだってバレたことなかったのに。あいつはあの一瞬でオレが作り笑いしてたって気づいたってことだ。


「オレだって嫌いさ。そんな態度とるやつ。オレの作り笑いに気づくやつ。あんな奴なんて嫌いさ。」


周りに人はいない。
これはオレの独り言で終わる。
/ 207ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp