どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第3章 作り笑い
食堂についてすぐに注文カウンターに乗り出して言う。
「マカロンを袋入れてくんね?」
「マカロン?袋?どうしたのよ。」
料理長の屈強な体格のオカマ、ジェリーが言う。
「なんか、マカロン好きの子に何かしちゃったらしくて怖がらたんさ。だからマカロン持ってお詫び行こうかなって。」
「マカロン好きな子って誰よ?そんな子居たかしら〜。」
「アユムって子なんだけど知ってっか?」
「アユムちゃんか。なによ、あの子帰ってきたの?」
ジェリーは素早くマカロンを作りながら話す。
マジ器用さ。
「帰って来たってどゆこと?」
「あの子はずっとティエドール元帥について修行してたのよぉ。出て行ったのは、1年半くらい前かしらねぇ。」
ジェリーはそう言ってマカロンの生地を焼き始める。
「ほら、ラッピングの袋選びくらいしなさい。あの子は理由なんて無しに人を拒絶する子じゃないのよ。絶対あんたが何かしたの。袋選ぶくらいやらないと許してもらえないわよ。」
オレはジェリーに渡された袋がたくさん入ってる箱を物色しながらアユムを思い出す。
イメージに合ったデザインを選びたい。そう思ったから。
「ジェリー、アユムってどこ出身なん?」
「なんでそんなこと聞くのよ?」
「だってさ、イメージとかあんだろ。好きな柄とか。そういうのって少なくとも育ってきた環境がものいうだろ?」
オレの言葉にジェリーはしばらく考え、納得したらしい。
そして、「国籍は日本よ。日本にいた頃の記憶は曖昧みたいだけど、日本らしいものをよく好んでる。」と教えてくれた。