第8章 【番外】ある日ある時
「あの子には母親の分まで幸せになってもらいたいんだよ。」
そう言うエルヴィンの声は震えており、姪を大切にする叔父でしかなかった。
「それは、俺も同じだ。だがアイツは自分で兵士になることを選んで努力してきたから首席で卒業出来るほどの力をつけた。そこを否定してガキを産むことが女の幸せとかほざくのは違うんじゃねえか。」
「私は……リヴァイ、君の幸福も願っているよ。君がマリーを必ず幸せにしてくれるというならば、私はそれを止めないでいたいと思っている。」
は?
思ってもみなかったことを不意に言われてしまい、グラスを落としそうになってしまった。
「私だってリヴァイのように最前線で直接戦ってこそいないが、いつ死ぬかもわからない。だがそうなるとマリーは家族がいなくなってしまうんだ。彼女を1人にはしたくない。」
酔っ払いが何を言い出すかと思えば……
「何言ってやがる。俺だって明日死ぬかもしれないし、マリーからしたら迷惑だろ。いい加減にしろ。」
「いや、きっとマリーはリヴァイに好意をもっているよ。」
ぶっと思わず口に含んでいた酒を吹き出した。
マリーが?意味がわからない。
「もしもこの先私に何かあればマリーにこう伝えてほしい。そしてリヴァイ、お前が側で幸せにしてやってくれ。」