第1章 ー東堂尽八の場合ー
「良いだろ?みんなに知らしめたいんだ。玲香はオレのだとな。あぁ…とっても美味そうだな?」
「えっ?ひゃんっ!あぁッ!」
目立つところのキスマークに抗議しようとしたが、再び顔を埋めた尽八の舌先が胸の尖りを舐め上げ、思わず胸をそらして快感を受け止める。
その反応にフフンと上機嫌になった尽八は、私の背中に腕を回してその態勢で私の体を固定すると転がすように舌を蠢かせる。
「んや、あっ、じん…ッ!んぁあっ!」
空いている手で反対側の胸の尖りを摘むと、舌のザラザラとした快感と指先で弄られる快感とが一気に押し寄せてきて頭が真っ白になる。
「はぁっ…ン、あ…ハァ…」
「すまん、玲香大丈夫か?少しやり過ぎたみたいだな…」
「ほん、とだよもう…っ!で、でも…」
「でも…?」
暫く胸への執拗な愛撫が続いた後、満足したらしい尽八は長い愛撫で力が入らない私のことを心配してくれて。
何だかやっといつもの尽八に戻ったみたいで安心したが…ここまで与えられ続けていた快感がパタリとなくなったことでウズウズと体の奥は相変わらず疼いたままで。
口ごもる私が言いたいことがわかったのか、とぼける尽八の口元は緩んでいて。
「ほら、ちゃんと言わなきゃわからんな」
「〜っ…尽八の意地悪…!」
「意地悪なオレも好きなのだろう?」
そう言われてしまえば何も言えなくなって。
頬がもの凄く熱い。このままでは埒が明かないと思い、意を決して口にしようとした瞬間尽八の唇に塞がれるとまた甘く蕩けるようなキス。
「ダメだな。玲香が可愛すぎてつい虐めてしまう…初夜はもっと甘くしないとならんな」
眉を下げた尽八は再び唇を重ね、隙間から舌を滑らせてくる。忽ち舌が絡み合うと私はその快感に身を任せた。
散々胸の尖りを弄っていた指は、体のラインをなぞるように下へと降りていき内腿を撫で上げる。
「んふッ!む、う…んんぅ!」
ズボン越しの弱い快感につい足をもじもじとさせてしまい、それに気付いた尽八はねっとりと舌を絡めたまま器用にズボンを脱がせ、下着にも手をかけるとするりと足から外して。
外気に触れたそこはひんやりとしている筈なのに、奥が熱くて。
チュッと音を立てて唇が離れると、とろんとした瞳で間近に居る尽八を見上げた。