第3章 ー巻島裕介の場合ー
「はぁ、ん、ふ、ンん!」
リップ音とともに唇が離れ、荒い呼吸のまま裕介を見つめるとそっと頭を撫でられて。
激しく攻め立てられるのは終わったかとホッとするとニヤリと笑う裕介に嫌な予感がする。
思わずその場から逃げようとしたが、裕介の長い手足からは逃れられるはずもなく…
「何してンだよ?自分だけ気持ちヨクなるのはズリィよな?」
掴まれた左手に見せ付けるように裕介の端正な唇を押し当てられる。リップ音を立てジッと私を見つめて…その瞳に捕らえられて目がそらせない。
「わかるッショ?ほら…自分で跨がるんだよ」
「や、無理だってそんなこと…!」
「無理ならずっとこのままッショ」
「裕介の意地悪……」
「クハッ!今更だろ?ほら、手伝ってやるから」
裕介は私の手を引いて自らの上に跨らせて、肩に手を置かせるとそのままニヤニヤと見つめるだけで。
腰を落とすのは自分でやれってことだよね…
覚悟を決めて片手で裕介の昂ぶったソレをそっと握ると腰を浮かせて自らの蜜壺へと誘う。
お互いの熱が触れ合い、擦り合うといやらしい自らの音が聞こえてきて。
「はぁッ、んん…!ふぁ…っ」
「っ…ナカ、すげェ熱いッショ…」
「んんぅ!あっ…奥…裕介…!」
ゆっくり腰を落としていけば裕介の熱い昂ぶりを飲み込んでいく。
全てが収まると自らの体重がかかっているせいかいつもより深くまで繋がり体を震わせて。
「クハッ!いい顔してんじゃねェか…たまんなくそそるショ」
「んんッ!はぁ、はぁっ…あぁン!」
「ったく、動く気なかったけど…ンなやらしー顔見せられたら我慢出来ねェッショ」
裕介の長い指が私の腰を掴むと逃げることを許さないように固定してきて。
下から腰を突き上げられると、ただでさえ深くまで繋がっているのに更に私の奥を抉ってきて目の前が真っ白になる。
「あァっ!ゆ、すけぇッ…!」
「っく、あ…締め付けスゲェな…なあ玲香、久しくシてネェか?」
「はぁッ…裕介とシてないのに、誰とシてるって言うのよ…っ!」
「だよなァ…長い間、待たせて悪かったショ」
裕介の突き上げる動きが止まるとそっと頭を撫でられて。
ゆっくりと目を開けて彼を見れば、切なそうなその表情に思わず手を伸ばしてギュッと包み込むように抱き締める。