第2章 ー新開隼人の場合ー
「んァっ!ひゃ、うン!」
「逃げるの禁止、な」
「だっ、てそこッ…んん!ゾクゾク、しちゃ」
「可愛い。オレに乱れる声、もっと聞かせて」
「ひぁッ、あっ、ン!はや、とっ…!」
いつの間にか再び隼人は私に覆い被さっていて、両手首を束ねられると隼人の大きくてしっかりとした手によって動けないようにとベッドに縫い付けられて。
「んー、いい眺めだけど…片手使えないと不便だな…お、これ良いな」
「え、隼人何してっ!」
「ほら、赤くなっちまったら嫌だからな、大人しくしてろよ?」
何を思ったのか、帰ってきて早々に脱ぎ捨て乱れたままの服の中から器用にネクタイを拾い上げれば口で咥え、お得意のウインクを私に向けてするとニヤリとしてからあっという間に私の手首を縛り上げて。
「ちょっと、隼人ってば…!」
「ん?言ったろ?お仕置きだってな」
「ふぁ、あっ!ン、はぁっ…や、ぁ…」
私の抗議を聞き入れようともせず、再び首筋に顔を埋めた隼人は鎖骨からじっくりと項まで舐め上げて。ただでさえ弱い首筋へのザラザラとした隼人の舌が与える刺激に小刻みに体を震わせた。
隼人に助けを求めるように抱き付きたいのに、手を縛られている為どうすることも出来ない。思わず快感に生理的な涙で瞳が潤み、視界がぼやける。
「可愛いな玲香…金城くんにも、こんな顔見せたりしてないよな?」
「っ!そ、な…あっ!ことッ…ひゃ、あんっ!」
だから真護とはただの幼馴染だから、と言いたいのに弱まるどころか更に激しくなる隼人の舌先に喘ぐことしか出来ない。
チクッとした痛みが走り隼人を見てみれば、愛しそうに紅い痕をなぞっていてその姿にゾクゾクとする。
「綺麗だな。玲香の白い肌によく映える。金城くんに見せてやりてェ…」
玲香はオレのものだってな、といつもの声のトーンより低く耳元で囁く隼人にクラクラして。
独占欲が剥き出しの隼人に鼓動は速くなり、少しずつ体の奥が熱くなるのを感じた。
そんな私にお構いなしに、隼人は何度も首筋に柔らかな唇を落とすと幾つもの紅い華を咲かせる。
「はぁ…っあぁ、この可愛い口からオレ以外の男の名前が出てたからな…消毒、させて」
「はぁ、ハァッ…んむ!んふ、うっ…!」
荒々しく唇を奪われると隙間から舌先が捩じ込まれて。甘い痺れに忽ち頭が真っ白になる。