第8章 鈴音の再会
「私の思いぜんぶが…………その、黒崎君がっ、す……好きって気持ちに行き着くからっ……かな」
「あたしからしたら、そんな大事に思える相手がいるってだけで尊敬するんだけどさ。」
頭に浮かんできた、織姫さんやたつきさんの言葉。
素敵だと思うのに、それが今の自分には苦しくもあってーー心が、重くなる。
その時には、思い返せば石田さんの事を考えている自分がいた。
今だって、そうなんだから。
徐に、机の上の辞書を手に取りページをめくる。
苦しい心の理由を知りたくて、抜け出したくて、した事だったはずなのに。
目当ての文を見つける前に、視界が捕らえた文字があって………私は言葉が出てこなかった。