第8章 鈴音の再会
「なかなか気骨がある。
しかし………度が過ぎれば、潰れかねない。
なるほど、今時の若者らしいですな。
貴方が仰るとおりならば、或いは………」
「彼がどうしてるかわかんないけど、一護くん達と上手くやれてる事を祈るよ。
因縁も思想も………壊して無くなったものは、今を生きるボクらや人が作り替えていくんだ。
どうせなら、いいものにしたいじゃないの。
彼らがその担い手なら、万々歳だよ」
さわりと抜ける風を頬に感じた京楽は、横目に沖牙を捉えながら、茶をすする。
普段は見かけないが、緩い眼差しの沖牙も今は彼らを思い浮かべているのかもしれない。
ボクがなりふり構わずに選んだ選択のように、彼も譲れない事があったんだろう。
たとえーー後ろ指をさされようとも。
それを糧に成し得た事は、世界を・人を護りきる大きな事。
きっと大丈夫。
絆は切れないよ。
再びの優しい風にゆれる風鈴を聞きながら、お茶のお代わりを所望する。
平和 ここに極まれり。
「伊勢殿も呼びますかな?」
「いいねぇ!
一服してもらって、疲れを労おうじゃないの。
あ、山ジイに教えてもらった旨い煎餅あるんだ。食べようか」