第8章 鈴音の再会
眠りから目を覚ます感覚がして、瞳をあける。
夢を視ていた。
たまに視る鳥の夢ではなくて、“誰か“がいた様なーー。
心地よい鈴音が今も耳に残っていたのだけれど、曖昧で朧げな夢。
「なんだったのかな………」
ぽつりと呟いてみるが、キラリと煌めいた光に思考は遮られた。
視線を向ければ、夜明けの陽光が格子窓から溢れていて、眩しかったそれを手の甲で隠す。
考えたところで、所詮夢だ。
いずれ忘れてしまう事に囚われているわけにはいかない。
やるべき事を私はするだけだ。
ふっと息をはいて、布団から抜け出る。
新しい一日が、始まる。