第7章 その日 口火を切る
『石津さん、ぼくは………今からでも、君と友達になりたい』
『え………』
『一緒にいると楽しいし、ぼくも石津さんも笑ってる。なんだかそれがね、嬉しいんだ。
いつかみたいにまた虚が襲ってきたらぼくも………師匠だってきっと助けにいくし、なにもなくても一緒にいる。
そうゆう"友達"に、ぼくと、なってくれませんかっ』
自分から言い出した事だけど、緊張して上手く彼女を見れなかった。
でも、いま目を逸らし続けるのは………何か違う気がして。
ぐっと震える拳を握って、真っ直ぐ彼女を見つめた。
『………はいっ!
わたしも石田くんと"友達"になりたいです』
その言葉と柔らかな笑顔で、ぼくもすごくホッとしたのを覚えてる。
『あの…石田くんのこと、いっちゃんってよんでもいいかな?』
『うん、いいよ。
石津さんは………しーちゃんってどう?
お互い似てる音があるけど、これならよびやすいから』
『じゃあ、いっちゃん!
恥ずかしがらずに、いっちゃんもいってみて!』
『………しーちゃん……」
『わあ、ありがと!いっちゃん!
………やったー!!」
『あ! いきなり走ったら危ないよっ!しーちゃん』
言葉に出してみたら、なんだか心がくすぐったかった。
それから暗くなるのを心配した母さんが来るまで、2人でブランコして遊んだな。
『こんにちは。はじめまして、雨竜の母です』
『こ、こんにちは…』
『母さん!この子は………』
『雨竜と一緒に遊んでくれて、ありがとう。
もしよかったら、かわいいお友達も家でお茶して行ってくれないかしら?』
『………‼︎
いいんですか?ご迷惑にはなりませんか?』
『そんな事はないよ。母さんのお茶は美味しいんだ!』
『大丈夫よ。さ、雨竜もそう言ってくれたのだから行きましょう』