第7章 その日 口火を切る
「誰かを傷付けたくないって思うことも、人を失う怖さも、確かに戦う中では大事にしなきゃいけない心だ。
だからって、石津さんが自分を犠牲にするのは………みんな絶対嫌だと思う。
黒崎ならブン殴る!って言うだろうし、井上さんは泣きじゃくるし、茶渡くんは静かに怒るだろね。それに僕だって、嫌だよ………」
「石田さん………」
「えと、要するに………戦う時も、怪我する時も………誰かひとりじゃなくて、みんなでって………いや、違うか?」
「………仲間で、ですか?」
「仲間もだけどその…僕等もう……友達でしょ?
何かあれば一緒に戦うし、助けたいって思う。
だから、石津さんもひとりで無理したり、頑張らなくていいんだよ」
「………………………!」
その言葉を聞いて、私は思わず石田さんをじっと見てしまった。
石田さんは、明後日の方角を見ていて顔なんてわからない………けれど。
いつか見たように、耳が真っ赤で。
でも………私の顔も今は、見られなくて良かった。
きっと、恥ずかしい顔をしてるから。