第7章 その日 口火を切る
ただ真っ直ぐに私を見てくれる瞳がそこにはあって、ああ、この人はちゃんと聴いてくれているんだとわかった。
そう理解はできても、自分が溢す心情は決して晴れやかなものではない。
話したあとにどう石田さんが感じるかわからない不安と迷いがあるけれど、言葉を続ける事にした。
「あの時とは全然状況が違ったとしても………傷を負う人を、私は見たくないんです。
だから這ってでも、止めたいって思いもあります。
きっと石田さんの言うとおり…………怖いんです。
また目の前で………誰かが死んでしまうんじゃないかって、心の何処で思ってるんです」
再びの沈黙。
溢した言葉が、耳に響く。
私は石田さんに伝えながら、自分の知らない心の内に気付いた。
私は 人の死を感じることが 怖いんだ
怖いんだ
もし いま私が 大事だと思う人達が
そうなってしまったら
思い浮かぶ たくさんの人
浦原さん 鉄裁さん 雨ちゃん ジン太くん
浅野さん 小島さん 有沢さん 井上さん
黒崎さん 茶渡さん そしてーー。
「ーーありがとう」