第7章 その日 口火を切る
肩を揺すられる事で、私は眠りから醒めた。
寝不足の目はなかなか瞳を開きたがらなかったけれど、気合いでこじ開ける。
ぼんやりと見えた視界には、浦原さんの姿が。
少し申し訳なさそうな顔をした彼は、そっと言葉を呟いた。
「後一刻程で、ソウルソサエティからの使者
が来ます。
………すいません、声を掛けたんですが、返答がなくて入ってしまいました」
「えっ………‼︎すぐに支度しますっ」
「慌てなくてもいいんですよ。
みんなで朝ごはんをゆっくり食べてもお釣りがくる程、時間はありますから」
サッと血の気がひいた顔をした私を、宥める様に両手をかざした浦原さんの言葉に安心する。
「………………ありがとう、ございます」
「いいッスよ。そんじゃ、茶の間で待ってますんで!」
カラリと襖を閉じた浦原さんは、部屋を去って行った。
感謝をしつつ、時計を見る。
が、時間はあるとはいえ、限られるはずだ。
支度を整えて、出迎えの準備もしなければいけない。
私は気合いを入れて、布団から出るのだった。