第6章 手をのばすは夢の中
虚を蹴散らし滅却し、合間に鬼道や霊子の矢で攻撃を物体に加える事、はや三度目。
硬質な物体も少しずつだが、ひび割れを起こすまでに崩れ出していた。
しかしそれ以上壊せないのは、依然として現れる虚の所為。
だから 私は苛々してしまった。
「うがー!!もうっ………面倒‼︎‼︎
縛道の六十二 百歩欄干‼︎」
「………………石津さん⁈」
瞬歩で飛び上がりながら、眼下の虚の群に鬼道を降り注がせた。
お陰で地に伏した敵は、動けずにいる。
「………えと、大丈夫?」
「すっきりしましたっ」
若干石田さんに引かれているのを感じているが、今はいい。
鼬ごっこはもう………うんざりだ。
早く後ろの物体を破壊しなくてはと、私は思っていた。
体力も霊圧も限りがある。
私や石田さんはずっと戦い詰だ。
目の前の物体が何であれ、早く終わらせて虚退治もしなければならない。
これ以上の戦闘は、こちら側には意味を為さない。
風司を持つ手にグッと力を込めて、私は走り出す。
「このまま一気に片をつけます!」
「ちょ……何があるかわからないのに一人では駄目だ!」
石田さんの忠告よりも早く、私は勇んで傷ついた卵の物体に一太刀を振り下ろした。
確かに力一杯、振り下ろしたはずなんだ。
でも
風司は手から滑り落ちて。
ぼやけた視界の中に見えたのは、鋭い色の紅。
そして
次に感じたのは
体に奔る、鈍い痛みだった。