第2章 戸惑いこころ
a.m 7:00
僕はアパートをでて登校している。
朝は昨日井上さんから貰ったパンを食べた。
今日は火曜日で空模様は曇空。
午後から変わりやすい天気で
雨になるらしい。
だから僕は折り畳み傘を鞄に入れた。
残暑の名残りはまだ強くて
9月でも日差しが強い。
半袖のワイシャツはいいけど
学校指定ネクタイはこの時期には堪える。
月末には休明けの考査があるから、計画を立てて今日から勉強をしないといけない。
取り留めのないことを僕は頭で考えている。
そうしないと、夢の所為で
何も手に付かなくなってしまうのがわかるから。
いつもの様に学校の教室に足を向けて
引き戸を開ける。
a.m7:20
ホームルームにはかなり時間があり、
他のクラスメイトは思い思いにすごしていた。
心なしか、クラスの雰囲気が高揚している様な気がする。
黒崎や井上さんも
有沢さん達に混じって賑やかに会話していた。
「石田、おはよう」
「おはよう茶道くん。
ずいぶん賑やかじゃないか?」
「多分転校生がうちのクラスにくるって
職員室で話してたのが広まったんじゃないか?」
「……転校生?」
だから、みんな賑やかなのか?
特に、浅野くんとかが。
「僕らのクラスは多くないか?そうゆうの」
「朽木みたいに
昨日のあいつが来たりするのかもしれないな。」
「……黒崎ならともかく、
僕には関係ない事だよ。」
一瞬、茶渡くんの目が
驚いたように見開いていた。
予鈴で生徒たちは自分の席についていく。
本当に彼女がくるのなら、
僕は関わらないでいよう。
こちらからは
何もしなければいいだけなんだから。
そう思っていた1時間前の僕は、
今日学校を休めばよかったと悔いることになる。