第3章 一歩
「智くんとどっちが気持ちい?」
くそっ、、
でも、どんなけ扱かれても勃たない。
「やっぱり智くんの方がいい?」
そう言いって俺を見ると、俺のベルトを取ってズボンの中に手を入れようとした。
「や!やだ!待って!」
俺はその腕を掴み、体を捻った。
「なぁ、潤。どんな奴でも舐めたら一瞬なんだよ?」
櫻井が耳元で呟く。
「やめろって!!」
ズボンが降ろされた。
「なぁ、どうして欲しい?」
下着に手が掛かる。
俺はぎゅっと目を瞑って、小さな声で呟いた。
「お、大野…」
ガシャーーーーーン
呟いた瞬間いきなりトイレの窓が割れた。
俺の体から櫻井の体重が消えて、俺はその場にしゃがみこんだ。
顔を上げると、いつの間にか大野が櫻井の胸ぐらを掴んでいた。
「貴様!!なにしてるんだ!
…俺に近づいたのはこのためか!?」
大野の罵声が響いた。
「やっぱり…」
櫻井はそう呟くと、俺ら二人を優しい目で見つめた。
「は?なんだよ?」
櫻井はやんわりと大野の手を外して、俺に近づいてくる。
そして俺の前でしゃがむと、そっと頭を撫でてきた。