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御曹司と忍び 【気象系BL】

第2章 事件



「潤まだ?」

ガチャっと風呂場の戸が空いて、大野が顔を覗かせる。


「潤!!?」


俺の姿を見て驚いた声をあげた。

「やめろ!!何やってんだっ!?」

大野が俺の手首を掴んで、胸を擦っていた手を離された。

「う、やめっ…くっ…」

ボロボロと涙が溢れ落ちる。

強く彼の方に引かれ、俺の体は大野の胸に収まった。


「離せ!!」

「潤っ!」

「やだ、俺汚い…」

抗う俺を更に強く抱き締める。

「汚くない。汚くないよ、潤。」

「やめろ…離して…」

「大丈夫、大丈夫だから。」


大野は俺が落ち着くまで俺を抱きしめていてくれた。

触れ合う肌からお互いの体温が広がる。
触れてる部分が妙に熱い。

「大野…」

「潤、大丈夫だよ。」

体洗お?と軽く微笑む大野に手に導かれて風呂場に入った。

大野は優しく丁寧に洗ってくれた。


「潤は汚くないよ。」

お湯に浸かりながら、後ろから抱きしめられる。

「潤、何されたか話してくれないか?」

「………」

「潤、ゆっくりでいいから。」


大野の優しい声に促され、俺はぽつりぽつりと口を開いた。

「……」

話し終えた俺の体はまた震えていた。

俺の話をしっかり最後まで聞いてくれて
震える俺を強く抱きしめながら耳元で、
ありがとう、と言う大野。


「お、大野?」

「なに?」

「っ…あの…さ…俺…」


消毒して欲しい、、

って何考えてんだ!

て思いながらも回された、大野の腕に手を添える。

大野だったら良いと体も心も思ってる俺がいる…
会ったばっかりなのにこんなに大野に惹かれている俺がいる…

そんな俺の雰囲気に気づいているかのように
大野が口を開いた。


「潤?消毒していいか?」

「え?」

俺は驚いて大野を振り向いた。

その瞬間に大野の唇が俺の唇に重なった。
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