第6章 誰のせい? ジェイド・リーチ
「私…どうしたら…」
彼と別れるべきなのか。
別れたい自分も入れば、別れたくない自分もいる。
複雑な気持ちは胸を締め付けていく一方だった。
「仕返しをしてやればいいんです」
ジェイド先輩は低い色気の含んだ声で耳元で囁く。
するりと手が伸びてきて、私の涙で濡れた手を絡めとり、指の間に指を入れてくる。
ゾワゾワと総毛立つような感覚に私は赤面した。
「同じことをやり返せばいいんですよ、そうすればチャラでしょう?」
頭の中をジェイド先輩の甘い声が這いずり回る。
「だ、ダメです…そんなことは出来ません…」
「ふふ、好きでもない男に触れられてこんなに顔を赤くしているのに…説得力ありませんよ」
「あっ、やだっ…!」
顎をすくわれて、強制的にジェイド先輩の顔を見つめる羽目になり、眉尻を下げていたずらな悪役の顔をしたジェイド先輩と目が合う。