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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第1章 眠っている貴女を ジェイド・リーチ


「お待たせしました」

私の目の前に、バターがよく香るパスタが置かれた。

「あの…この、緑色だったり赤色のきのこは…?」

「すぐそこの裏山で採れたきのこです。ちゃんと食べれますよ」

ジェイド先輩はにこやかな笑みを浮かべる。
確実に人間界では食べたら死ぬ、と言わんばかりの鮮やかな色合いでフォークに刺したのはいいものの、口に入れるのを躊躇ってしまう。

「ほらほら、一気にどうぞ!」

「むぐっ!」

ジェイド先輩に一気にフォークを押し込まれ、えづきながら私はきのこを口に含んで咀嚼する。

ーあ、意外と…いける?

ゆっくりときのこを噛んでみると、じゅわりときのこ本来の味が染み出してきて意外と美味しい。
私が驚きに目を見開いていると、横にジェイド先輩は腰をおろしてきた。

「どうです?美味しいですか?」

「はい、美味し、い…で、す…」

急に視界がぐらついてきて、激しい眠気に襲われる。
瞼が強制的に落ちてきて、手に力が入らなくなり、フォークが床に落ちる音がした。
視界の隅でジェイド先輩が不敵な笑みを浮かべていた気がした。
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