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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第4章 薔薇を塗ろう トレイ・クローバー


私は胸の中が暖かくなった。
トレイ先輩が私の事、妹みたいに思ってくれてるんだ…
でも、暖かくなったと同時に苦しく締め付けられもした。
言わないといけないことがある。

「トレイ先輩、実は…帰れる鏡が見つかったんです」

静寂が流れ、トレイ先輩のカップとソーサーがぶつかる音しかしない。
私は服の裾を握りしめた。

「そうか、良かったな」

トレイ先輩は目元を綻ばせて微笑んでくれた。

「明日にでも帰ろうと思ってて…その、やっぱり寂しいじゃないですか、みんなと離れるの。だから誰にも言うつもりはなかったんです…でも、トレイ先輩には言っておきたくて」

「確かに…少し寂しくなるが、みんなお前が帰れるのを喜んでくれるよ」

ー俺以外のみんなは
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