第4章 薔薇を塗ろう トレイ・クローバー
「ん〜〜〜〜!やっぱりトレイ先輩のタルトおいしいです!」
私はイチゴタルトを口いっぱいに放り込んで、甘酸っぱい果汁を楽しむ。
一方のトレイ先輩は紅茶を啜って私が食べている様子を見ていた。
「ここ、ついてんぞ」
トレイ先輩の長い指が私の口元に伸びてきて、ついていたタルトの欠片を摘む。
「あっ、ありがとうございます、気付きませんでした」
「気をつけろよ」
トレイ先輩は摘んでいた欠片を口の中に自然な動作でいれる。
「えええっ?!いや、ポイしてくれていいんですよ?!」
「はは、すまんすまん、つい妹のノリで」
ーい、妹…