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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第3章 リンドウを貴女に ジェイド・リーチ


「じゃあどうして…」

ジェイド先輩なら分かってくれると信じていた。
優しく声をかけてくれるし、勉強も教えてくれて、ご飯も作ってくれて、大好きな先輩だった。
異世界のナイトレイブンカレッジでの心の拠り所だったのに、音を立ててそれは崩れて行った。

「…あなたは、帰ったらまたいつも通りの生活が出来ると思っていたんですか?」

「はい、思っていました…だから帰りたかったんです」

声が震えてきた。

「ここは魔法界です。間違いとはいえ、ただの人間に魔法を教えてそのまま帰すなんてことしませんよ」

突き放すような冷たい声。
私は顔をあげると、ジェイド先輩は変わらないでにっこりと微笑んでいる。

「向こうの世界でのあなたの記憶を消しているかもしれません」
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