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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第16章 囚人のワガママ レオナ・キングスカラー


「整列の時間に遅れている。さっさと来い」

「嫌だね」

「お前はいつもそうして…!」

叱りつけてやろうと思った私の口が止まる。
キングスカラーは耳をぺしょんとさせて、しっぽを床に投げ出していた。
急に寂しそうな雰囲気を出してきて、私は罪悪感に駆られる。
ダメだ流されてはならない。
私は頭を横に振り、キングスカラーを睨みつけた。

「良いから早く来い」

「お前は無実の奴にもそんなことをするのか?」

声音が弱くなる。

「…キングスカラー、罪はなんだ」

「反逆罪だ、でも俺はそんなことしちゃいねぇ…」

第2王子。
ただそれだけの立場でもしかしたら彼は謀られたのかもしれない。
確かに王族が何も騒ぎ立てないのも不自然だし、本当に陥れられているだけなのか。

「…私に言われてもそんなことは知らん。助けが来るまで待っていたらどうだ…って、どうした!キングスカラー!」
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