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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第2章 愛のカタチ トレイ・クローバー


「お前はほんとに健気で可愛いな…」

「トレイ…先輩…?」

頬を片手で包み込まれ、すりすりと小動物を撫でるように触れられる。
トレイ先輩は私をじっとりと細めた目で見つめていた。

「自分の体が今どういう状況かも、目の前にいる先輩がどんな男かも知らないで」

トレイ先輩の顔が鼻が触れそうなくらいに近づいてくる。
いつの間にか手を絡めていたトレイ先輩の手が腰に回っていた。

「トレイ先輩は優しい先輩ですよね…?そうですよね?」

怖い。
いつも瞳には優しい雰囲気があるのに、今は黒くて曇っている気がする。

「それは間違いだよ、」

「んんっ?!ん、ん〜!」

トレイ先輩と私の唇が重なっていた。
暖かくて少しカサついた唇が何度も何度も角度を変えて重なる。
後頭部と腰をがっちり固定され、私は身動き1つ取れない。
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