第2章 愛のカタチ トレイ・クローバー
「し、失礼しま〜す…」
「適当に座ってくれてて構わないぞ」
私はそう言われて、とりあえずミニテーブルの近くにあるソファに腰掛けた。
ー優しい匂いがする…
「はい、お待たせ」
コトン、と目の前に綺麗な透き通った色をした紅茶が置かれる。
湯気が薄らと立ち上り、いい匂いがする。
「お礼と言ってはなんですけど…スミレの砂糖漬け持ってきました」
「おぉ…!ありがとうな!」
トレイ先輩は瞳をキラキラと輝かせて私からスミレの砂糖漬けの入った壺を受け取り、机の端に置いた。
その瞬間、どこかトレイ先輩の纏う雰囲気が妖しくなり、胸の奥がザワつく。
すると、横に座っていたトレイ先輩が私の手に指をするりと絡めてきた。