第11章 メイド服を脱がせて レオナ・キングスカラー
レオナ様は子供を抱き上げるように私を片手で軽々と持ち上げると個室のある廊下へと歩いていく。
「ダメです!レオナ様!下ろしてください!」
「うるせぇな、着いたぞ」
「わぷっ」
私は部屋に着くなりベッドに荒々しく投げられた。
レオナ様は覆いかぶさりると唇を交えてくる。
ほんのりお酒の味がした。
「んっ、ふぅ…ン…んぅ」
レオナ様の胸板を叩いて私は酸欠を知らせる。
「…ぷはっ!レオナ様、お戻りください」
「何でだよ」
「これは公式の行事です。レオナ様の為に何人もの従者が、勿論私も準備いたしました」
「てめぇも兄貴と同じことを言うのか」
レオナ様の怒った鋭い眼光が向けられる。
肉食獣の睨みに思わずすくみそうになる。
「はい」
「…なぁ、お前も気付いてんだろ、俺はお前のことが」「言わないで!」
次の瞬間、私はレオナ様の頬を引っぱたいていた。
レオナ様のまん丸に見開かれた瞳。
「お願い…言わないで…」
声が震える。
涙も今にも溢れそうだ。
沈黙が肌を切り裂く。
「…叩いたことは後でいくらでも処罰を受けます。今は…パーティーにご出席願えますか」
レオナ様の下から私は抜け出し、乱れた髪とメイド服を直してドアノブに手をかける。
「さようなら」
だいすきな貴方。