第11章 メイド服を脱がせて レオナ・キングスカラー
とうとうこの日が来た。
第2王子であるレオナ様の花嫁を決めるパーティーだ。
色んな国からこぞってやってくる姫たちから1人を選び、婚約を結ぶ。
そして明日には式が挙げられる……
私はパーティー用のお仕着せに身をつつみ、貴族たちがダンスホールできらびやかな衣装を翻して踊るのを横目に壁に突っ立っていた。
ー叶わない恋だって知ってたでしょ?私
性処理メイドとして採用され、初めは気付いていなかったこの気持ち。
でもいつの間にか気付いていた頃には苦しくなっていた。
今日は失恋記念日。
馬鹿な恋愛をした私を笑う日。
「ーー、」
「ひゃあっ?!」
耳元で聞き覚えのある声が聞こえてきた。
後ろを振り返るとレオナ様がいた。
「れ、レオナ様!」
正装に身を包んだレオナ様はいつもとは違う色気を放っていた。
レオナ様は気だるげに前髪をかきあげ、私の肩に腕を回す。
「疲れた。こっち来い」
「ダメです、皆様、レオナ様の為にお越しになられているんですよ?」
「あ?俺に指図すんのか」
「勿論でございます。本日は皆様がお忙しい時間を縫ってこちらにいらっしゃってるんです。レオナ様も姫たちと踊って婚約者を決められてはいかがですか」
「却下だ」
「きゃっ!」