第11章 メイド服を脱がせて レオナ・キングスカラー
「わ、分かりました…」
ファレナ様からの命令でレオナ様の夜食には必ず野菜ベースのスープがついている。
野菜嫌い過ぎるレオナ様を心配してのことだ。
私はブイヨンの香りがするスープをすくい上げ、お皿を持ち、レオナ様の顔へと近付ける。
ーかっ、カッコよすぎる…!
そう思った瞬間、手からお皿がこぼれ落ち、床で割れる音がして、私は血の気が引いた。
「も、申し訳ありません!!レオナ様、お怪我は!」
「ちょっとスープがかかったくらいだ」
レオナ様の来ている寝巻きのすそと太ももの辺りが濡れてしまっており、絨毯にはブイヨンが染み込んでいる。
「申し訳ありません、直ぐに従者を呼んで参りますので、そちらから動かないでください」
私が部屋から出ようとすると、レオナ様がおもむろに手首を掴んだ。
「いい、俺が呼んでやる」
「そんな!レオナ様のお手を煩わせる訳には…」