第10章 目覚め 【女ヶ島】
船は男子禁制の“女ヶ島”に到着した。
ルフィの療養を目的としたロー達は、緊急特例により女ヶ島湾岸への停泊を許可された。島の裏にある森の奥の岸壁にひっそりと停泊する潜水艦。
森の中には、ルフィとジンベエを療養させるための簡易の小屋が作られ始めた。小屋の完成を待って、二人を移動させ、あとはハンコック達に任せることになりそうだ。
必要な物資を補給するために上陸を許されたアルコとベポ。
ベポは物資とアルコを乗せた台車を引いて、森の小道を歩いている。
アルコの左足は、もうちっとも痛くないのだが、『できるだけ台車に乗せて歩かせるな』というのがローの指示だ。アルコは、始めこそ申し訳ない気持ちになったが、体力のありあまるベポにはちっとも苦じゃなさそうだし、森の中を台車に乗って進むのは本当に気持ちよくて、遠慮なくくつろぐことにした。
ルフィを助けてまもなく2週間。明日にはルフィを療養小屋に移動させ、この島を発つことになるだろう。
─── 残されたチャンスは、明日の朝。
あと1回だけ。
アルコは、揺れる台車の上で竪琴を弾き始めた。演奏したのはもちろん、ルフィの目覚めのための『あの曲』───
ベポにとっても、毎朝 艦内のホーンを通して聴いている耳馴染みの曲だ。
フンフンと旋律を口ずさみながら、台車の歩みを軽快に進める。