第9章 甘え 【女ヶ島へ】
「っ!!!」
「悪ィ、眠ってた」
急にあたたかい気配に包まれ、首の後ろに声がかかる。
ゾクリと甘い吐息。
ローが能力を使ってアルコを自分の寝床に招き入れたのだ。
──── 大人しく眠ってればいいじゃない
疲れてるんなら、こんなことに能力使うなよ
スゥ ────────
ローがアルコの首の後ろにピタリと顔を寄せ、大きく息を吸い込むが、次の吐息では すでに眠っていることがわかる。
──── 嗅ぐなよ
んで、寝るのね…
ツッコんで、腕を払いのけ、ベッドから抜け出ることは たやすいが
『おれは お前の“そんな身体”でイケると思うんだが』
ローのかつての言葉が思い出された。
下品な軽口、と思っていたその言葉が『“こんな身体”のままのアルコ受け入れる』という意味を持つようで、とたんに甘く、優しく響き直した。
──── 払いのけるのは…また明日
アルコは、そのままローの腕の中で眠った。