第31章 arousal
苦しむローに対して、アルコは攻撃的な表情を緩めていった。柔らかく なま温かい感触に再び正気に戻ったようで、力の抜けた舌で優しく応え始めている。
その変化を感じとったローは唇を離して押し返し、頭をロックしたままアルコを見た。
惚けているのか いないのか
正気なのか 狂気なのか
そもそも
どうして こんな状態になったのか
わからないが、ローにとってはそんなことは どうでもよかった。
アルコは長い睡眠から目を覚まし
起きていて
生きていて
自分を求めている
それだけで十分だった。
音をたてて浅いキスを繰り返すことで、その想いをぶつける。
(──── 好きだ)
アルコを間近にとらえて、自分自身の中で その想いを認めてやれば、胸の苦しさはいくらか和らいだ。同時に射精時のような快感と幸福感が血を巡り始める。
口に出せない想いは、心の中の堰を切ったように溢れ出す。一度 自覚してしまえば、もう留めようがないほど中毒的に。
好きだ
好きだ
好きだ 好きだ
好きだ
好きだ 好きだ
好きだ 好きだ 好きだ
想いの数だけキスを与える。
体内の欲望の種を暴走させられているのはアルコのほうなのに、ローはまるでアルコの心まで貪るように唇を重ね続けた。