第28章 甘いもの
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島を出航したバギーが率いる3隻の船。ローとアルコの乗った船は、大海原を半日ほど進んだ所で他の2隻と進路を変えた。
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「キャプテン・バギー! お達者で~!!」
「おう!
お前ら、ガッポリ稼いで来いよ!!」
離れていく船ごしに、大きな声が飛び交う。
素知らぬ顔のローの隣で、アルコはバギーに向かって笑顔で手を振った。それに気づいたバギーは悪どいが満足そうな笑みを返した。
バギーは船の縁に立って 自分の乗っている船に振り返り、クルー達になにやら啖呵を切り、鼓舞しているようだが、その声はもう聞こえなくなった。
ロー達の乗った船の行き先は“新世界”の入り口に位置する島のひとつ『ミストリア島』。この大型の帆船でも数週間はかかるという。
バギー海賊団に所属している者はインペルダウンから脱獄してきた元囚人も多い。傭兵集団ということもあって、船には屈強な男達が30名ほど乗船している。
アルコが、しきりに ほほの白いアザに髪をかけたり手をあてたりしているのを見て、ローは船の医務室から勝手に湿布のような絆創膏を持ってきてアルコのほほに貼った。
「ありがとう。ごめんね。…弱くって」
「別に。弱いとは思わない」
ローがアルコのほほにかかっていたうっとうしそうな髪を払うと、アルコはようやくいつもの笑顔をみせた。