第27章 価値観
あのジジィに 処女を捧げるの?
どんな“儀式”よ
最っっっ悪
オエエェェェ……
…それにしても、ユナの首筋
きれい
美味しそう
アルコはトロンとした目で吸い寄せられるようにユナにもたれかかる。目の前にあった彼女の鎖骨にキスをして、舌を這わせ始めた。
「あっ…、あぁっ…」
「アルコ!? 何やってんだ」
「え、あ…。何やってんだろう…」
なんか、ぼーっとしちゃって
どうしちゃったんだろう
頭の中にモヤがかかったように思考が定まらない
どうすればいいんだろう
どうすれば彼女を助けてあげられるんだろう
私がもし彼女だったら ────
「ロー…、抱いてあげたら? あんなジィさんより、ローがもらってあげたほうが…」
「それは“お前”の『価値観』だろ」
ローの冷たい声が直接 胸に突き刺さり、アルコは我に返った。
ロー、怒ってる
言い捨てるように
“お前”って言われた
「あんなジジィでも…、この女にとっては 小さい頃から疑わずに崇(あが)めてきたジジィだぞ。見知らぬ海賊と どっちがいいかなんて、アルコの価値観で決められることじゃねェだろ」
アルコは赤い顔のまま、うつむいて黙ってしまった。
「…もう帰れ」
「それは…、それだけは…っ!!」
ユナは目の前のアルコにすがった。着物の襟をつかみ、唇を合わせられる。
アルコは一瞬怯んだが、その薄くてすべすべした唇の感触に負けて、心地よさげに目を閉じた。
あぁあ なんだろう
身体の芯が熱い
気持ちいい
気持ちよくなりたい
気持ちよくさせたい
「ん…、…ふぅ…、」
舌でユナの薄い唇をくすぐると、甘い吐息が漏れた。
アルコが息を吸おうとした瞬間、肩をつかまれ、ローに引き剥がされる。
「どうしたんだ、アルコ。お前…ヘンだぞ」
「ヘンだね…。熱いんだよ…、身体が」
ローは赤い顔の二人の女を見比べた。
(催淫…、あのお茶か…?)
「お前…、盛ったな」
「…すみません…」
ユナのその返事に、ローは深いため息をついた。直後、肩を引き剥がす勢いのまま、アルコを荒くベッドに放って、ローはその上に のしかかった。