第6章 海底から見る光
ガラガラガラッ
廊下へと続くのであろう、スライド式の扉。
ノックもなく開かれ、アルコはすべての弦を素早く抑え、音を止めた。
帽子はかぶっていないが、あの男だ。
男は迷いなく2つのベッドの間まで歩みより、壁に取り付けられているホーンのような金属製のものに、閉じ合わせた貝殻のようなフタをした。
ホーンに繋がった金属管は壁を伝い、天井の角に吸い込まれていた。
「寝すぎだろ。大丈夫か」
男が発したのは、予想外の優しい言葉。
「え、ええ。大丈夫………です」
そんなに長い間…ひょっとして何日か眠っていたのだろうか。気だるさはなく、むしろ頭と身体はスッキリとしている。
入り口のスライド扉から、2人の男とクマがトーテムポールのように顔を覗かせているのに気付き、慌ててシーツを引き寄せて、両腕を隠した。
「あいつらは『大丈夫』だ。3人には『事情』は話してある。
お前、名は」
「…………アルコ」
「アルコっていうのか~。 ずーーーっと寝てるから、心配したよ!」
クマが言ったと同時に、2人と1匹はどやどやと部屋に入ってきて、笑顔でよろしくとか自分の名前とかを口々に言い始める。
ベポ
シャチ
ペンギン
「あなた、は?」
男に向かってそう問いかけた時、賑やかさがピタリと止まった。
「キャプテンを、知らないの?」
「キャプテン……ちゃんと話、したんじゃないんスか」
「どうでもいいだろ」
ベポがバタバタと船長室から何かを取って来てアルコに渡す。手配書だ。