第24章 老人と船
「どうして確かめないの? どうして『ローもそう思って』って望まないの?」
少し怒ったように言うので、アルコはなだめるような笑顔をみせた。
「相手は自由な海賊だよ。
そんな自由なとこが好きなの。
彼の自由を縛るような約束は、したくない。
だから私は、できるだけそばにいられるように、努力するだけ」
そこまで言って、祖母と母の気持ちとリンクしたことに気づいた。
──── あぁ、そういうことか
お母さんも、おばあちゃんも
“彼”の自由を望んだんだね
だから、
国に残ってひとりで産んで育てたんだね
そんな自由な“彼”だから、
好きになったんだね
だから、私達一族の女は『相手の自由を望む“自由主義者”』なんだね
「アルコは、強いね」
「…全然だよ」
アルコは横になったまま、弱々しい笑顔で首を少し傾けた。
──── 全然、強くないよ
本当は確かな愛が欲しい
お母さんやおばあちゃんは、きっとちゃんと“彼”から一度は愛を受け取ったんだ
だからあんなに強かったんだ
お母さんなんか
きっと“彼”からも
珀鉛病になってからも
きっと“ミホーク”からも
ちゃんと愛を受け取ったんだ
だからお母さんは“呪いに勝った”んだ
私は、愛を受け取る『器』が壊れてる
“病気”のせいで
“呪縛”のせいで
“呪い”のせいで
だってこんな私を愛してくれる人がいる訳ないじゃない
そう考えて
どうしても
うまく受け取ることができない ────
欲しいけど
受け取れない
自分自身で拒んでる
本当に、矛盾してる
いつまでも、前に進めない
“心(ハート)の呪縛”