第24章 老人と船
グレート・鰤(ブリ)テン島
古くからの歴史と伝統を持つ この島は、石造りの統一された外観が美しい。
ズラリとスキマなく並ぶ建物からは、圧迫感というよりむしろ荘厳さが感じられる。
ベージュ色の壁には、植物の蔦(つた)が這って深緑色の葉で色づけられている建物もある。それはまるで、人の生活が自然との調和していることを表しているようだった。
また、どの建物も ひと昔前に建てられたままの姿で保存されており、ここに住む人々が古き良き伝統を大切にしていることが伺えた。
アルコは、フルーツの皮の粒々感が残るアイスを食べながら大きな広場の片すみに座っていた。
数万人規模の演説や集会でもできそうな広場には、いくつかの柱や台座の上に誰かの銅像が鎮座している。この国の歴史的な偉人や王の姿だろうか。
広場の入り口付近の左右には対称に2つの噴水があり、それぞれの噴水の中央には違ったオブジェから水が噴き出している。
アルコは、その噴水のしぶきを見ながら、ライオンのような・馬のような銅像の前に座っていた。その不思議な生き物から感じられる奇妙さと、かわいらしさすら感じられる愛着に吸い寄せられるように台座の縁に座り、ローを待っていた。
「誰かを待っているの?」
いつの間にか隣には、少年が座っていた。
くせのある金髪に、緑色の瞳。
一瞬、本物の天使かと思ってアルコは自分の目と耳を疑った。
少年は何も答えないアルコを、祈るような目でじーっと見つめてくる。
「えっと…、一緒に旅してる人を待ってる」
その力強さに圧されそうになりながらも返答すると、少年は翠眼をビックリするように丸くしてから、その後 横に細めた。
「海賊なんでしょ」
「え…………。どうして…?」
「わかるよ。だいたいのことはね」
不思議な少年は、その金髪をかきあげるように触った。
その手の親指には、彼の瞳の色と同じ大きな緑色の石のついたリングがはめられていた。