第23章 応酬
昼間の騒動がウソのように静まり返った帆船。
二人は宵闇の中、部屋に戻った。
「おいで」
少し難しいような顔をしている口一を、アルコは優しい笑顔でベッドに招き入れた。
「もうムリなんじゃねェのか」
嫌味を言いながらも、口一はいそいそとアルコのベッドに潜り込んでくる。
「不思議だね…」
口一が胸元にすり寄ってくるのを放置したまま、アルコはぼんやりと低い天井をみつめたまま言った。
ルフィと口一
自分の乗った船の船長が
二人とも“D”だなんて
彼らは、どこまで行くんだろう
どんな運命を背負っているんだろう
「──── ははっ。こちょばいよ」
「してェ………」
弱々しい声で胸元にうずまったまま、そうつぶやく口一の頭を抱き締めた。
「…いいよ、大丈夫だよ」
不安なんだ
怖がってるんだ
いつもと同じ涼しい顔をしているけど
口に出して話題にしただけで
こんなにも身体がこわばってしまう程に
だから、こんな風に求めてくるんでしょ
口一の髪をなでながら、思わず顔が緩む。
それほど大事な胸の内を
話してくれて嬉しい
求めてくれて嬉しい
「かわいー…」
無意識に口をついて出たその言葉に、口一はガバッと起きあがった。
「チッ……お前…」
「あ、ゴメン」
バカにされたと思ったのか、不服そうな鋭い目つきを向けられる。
でもそんなの、全然怖くない
照れてるだけってわかるから
強がってるだけってわかるから
アルコは微笑みを崩さず、口一のその不満そうな顔を、さらに逆なでするようにスリスリとなでる。
「でも…、かわいい」
その言葉を聞いた口一は、首筋から耳、ほほ、唇まで吸いつくような少し乱暴なキスを始めた。
唇を離した口一は、近い距離でアルコを見つめた。
息を吸ったので、何か言うのかと思ってアルコも見つめ返したまま口一の言葉を待ったが、口一は結局何も言わずに再び口づけを始めた。
いいよ もう 何も言わなくても
不安なら、取り払ってあげる
その代わり
預けてよ、私にも