第23章 応酬
トントントン
「トラファルガー・口一! マジェスティ大佐がお呼びだ」
その声に二人の心臓は跳ね上がる。
何やら上が騒がしいとは思っていたが、口一が協力しなければならないトラブルでもあったのか。
「口一…抜くよ」
「シッ………、待て」
口一はアルコの手をとらえて引っ張った。アルコは口一の上から降りようにも、突き刺さったままの彼の一部が杭のように打ち込まれていて、一度身体を上げなければ降りることができない。
トントントントントン
「トラファルガー・口一! いないのか…?」
急かすようなノックに変わった。
穴のあくほどみつめていた扉の、茶色くて丸いドアノブがガチャリと動いた瞬間 ────
(鍵してない……!!)
(いや、そもそも鍵ついてねェっ?!)
グイッ、ダ ダ ダ ッ・・・
「─── っ!!?」
バンッ!!
口一は太ももからアルコを抱えこんで立ちあがり、押し開きかけていた扉に向かってアルコの背中を押しつけるように突進した。
「ぅぅ………っ、い、たっ…!」
「悪ィ」
口一にしがみついたままのアルコは背中全体を殴られたような圧迫感を感じ、うめき声のような小さな抗議を口から漏らした。
「トラファルガー・口一。いるのか。大佐がお呼びだ」
「取り込み中だ、開けるな。
……後で“いく”」
平然と言ってのける口一に、アルコは信じられないとばかりの視線を向ける。
アルコの身体を抱えて扉に押しつけたまま、口一は腰の動きを再開していた。