第23章 応酬
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「ねぇ、ヘン・リー。あれ何かしら」
ロー達の部屋のちょうど頭上。
船尾側の高くなった甲板にいたメーガナィン王妃は、隣にいるヘン・リー王子にそう問いかけた。
視線の先には白くて丸いものがぽこぽこと水面に跳ねあがっている。
20匹ほどの何かが群れているようだ。
風を受けて進む船を追いかけるように徐々に船に近づいてきた。
「ああ、あれはウミハムスターだよ。知らないのかい?」
「まぁ、ウミハムスター。かわいい…飼いたいわ」
王妃が甲板の縁から少し身を乗り出したその時、それまでめいめいのタイミングで跳ねていたウミハムスター達が、止まったまま水面でぷるぷると震えだした。
「? なんだ??」
・・・ピョーーーーンッッ!!
キシャァァァア!!!!
愛くるしい顔で跳ね回っていたウミハムスター達が、突如 凶悪な表情で一斉に甲板めがけて飛びかかってきた。
目をつりあげ、歯をむき出しにして、対空攻撃をしかけてくる。
「きゃっ!?」
「あ、危な…」
「王妃!!」「王子っ!?」
周辺にいた従事者が二人を守るように立ちはだかろうとするが、ドスドスドスッと丸くて白いウミハムスター達が二人と従事者達のいる一帯に降り注いだ。
「痛っ!」
「うわっ…」
「きゃぁっ」
「あ、いてっ……」
柔らかいソイツらに当たっても「痛い」と言うほどで済む程度だった。
ほとんどは甲板の床に落ち、一斉に踏みしめるような衝撃で、船はグッと沈み、その後 反動でぐらりと反対側にも大きく揺れた。
異常に気づいた海軍大佐 マジェスティは、甲板中央から その一匹めがけてフックのシュートを放った。
「大丈夫ですかっ?!」