第19章 察知
「航路は? 落ち着いたの?」
「うん。あと数日でシャボンディ諸島への海流に乗れそう。明日の朝には、浮上するよ」
「さすがだね。ご苦労さま」
浮上か、やった!
少しでも外へ出て風に当たれば、重い身体や生活リズムも何とかなりそうな気がした。
ベポに手をとられ、二人で船長室を後にする。
「アルコ。キャプテンを、よろしくね」
カマボコ形の扉を開けておさえたままのベポが、改まってそう言った。
「? どしたの」
しばらくヤってないのがベポにはお見通しで、それを心配されてるのか。昨日、仲直りっぽいことしたから大丈夫だと思うけど………
「キャプテンも、傷を抱えてる。アルコになら、さらせるのかもしれない」
え
─────────“傷”?
って
なに
「行こう。何日も食べてないんでしょ。あったかいスープにしたって言ってたよ。アルコの好きなヤツ」
少し寂しそうにしたベポは、そう言って いつものかわいいクマさんの笑顔に戻る。アルコも釣られて笑顔を作って歩き出した。
──── ローには、何か“傷”があるの?
ベポのような嗅覚を持たないアルコには、それを察知することは出来なかった。
今まで、ずっと